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看護師

多くの看護師にとって、過重労働、未払残業代問題は身近な問題です。
違法な時間外労働が常態化し、心身ともに疲弊している人も少なくありません。
待遇面で「何かおかしい」と感じるようなことがあれば、一度専門家に相談することをお勧めします。
 

看護師の労働環境には問題が多い

現在、人手不足という事情もあって看護師の労働環境は過酷なものになっています。
前残業などの時間外労働が多い上、研修や持帰り仕事といった時間外勤務として扱われない業務も発生しているため、結果として、多くの看護師が過労死ラインで働いています。
しかも、残業代を始めとする時間外勤務手当の未払いが頻繁に起きているというのが実情です。
2017年に発表された日本医療労働組合連合会のアンケート結果によれば、アンケート回答者(33402人)の時間外勤務手当の未払い分は合計で3億2800万円を超えます。
看護師にとって未払残業代の問題は非常に深刻なものといえるでしょう。
 

実際には残業代が発生している可能性があるケース

1日8時間又は週40時間の法定労働時間を超えて働くと残業代が発生します。
看護師の場合、業務の性質上、月や年ごとに労働時間を決める「変形労働時間制」が採用されている病院が多いようです。
しかし、変形労働時間制が採用されている場合であっても、1週間の平均所定労働時間が40時間を超えた分については、当然残業代が発生します。
病院が「残業代が出ない」と説明しているケースであっても、実際に残業代が発生するケースとしては次のようなものがあります。
 

就業時間の後に行う事務作業

看護記録、カルテ作成などの事務作業を終業時間後に行う看護師は珍しくありません。
これらの事務作業は業務に当たるため、就業時間を超えて働いた場合は残業代が発生します。
 

前残業

看護師の場合、始業時間前に仕事をする前残業が多いといわれています。
こうした前残業も時間外勤務であり、その分の手当が発生しています。
 

院内研修や朝礼

院内研修や朝礼なども実質的に参加が義務づけられているのであれば、残業代が出る可能性があります。
 

固定残業代制で働いている

賃金体系によっては、毎月の給料に固定残業代が含まれていることがあります。
しかし、固定残業代制を採用する場合は基本給と明確に区別する必要があり、そうでない場合には「一定時間分の残業代を前払いしている」という扱いにはなりません。
また、固定残業代の想定する時間以上に残業が発生している場合も、残業代が発生している可能性があります。
 

名ばかり管理職

看護師長などの役職がついている場合であっても、残業代がもらえる場合があります。
管理職は基本的に残業代が出ませんが、実際には管理職ではなく、肩書きだけが管理職の「名ばかり管理職」といえるときには話が別です。
管理職かどうかは、待遇や権限、勤務実態などを総合考慮して判断されます。実質的に管理職といえない場合は、肩書きがついていても残業代を請求できる可能性があります。
 

業務委託契約

労働基準法上の「労働者」に当たるかどうかは、実質的に判断されます。例えば、形式的には業務委託契約で働く人であっても、実際には労働者側の裁量権がほとんどなく、「使用者の指揮監督下で働き、報酬を受け取っている」といえる場合には労働基準法の「労働者」に当たります。看護師の場合も、たとえ、業務委託契約に基づいて働いていたとしても、実際の勤務態様によっては雇用契約で働く看護師と同じように残業代が発生します。
 

おかしいと思うことがあったら弁護士に相談を

看護師の場合、患者の命を預かる現場で働いているということから、職場に対して残業代の請求がしにくいということもあるようです。
しかし、サービス残業は違法ですし、「タダで長時間労働させられる」という雰囲気になってしまうと職場の労働環境も悪化し、結果として患者にしわ寄せが起きてしまいうことにもなりかねません。
働いていて納得のできないことがあったら、医療記録やタイムカードなどの違法残業の証拠を収集するとともに、一度弁護士に相談してみましょう。

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