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歩合給制

歩合給制を採用している会社でも、時間外労働をした分の残業代は発生します。
「歩合制だから残業代は出ない」と説明されている人であっても、残業代が請求できる場合があるのです。働いていて「おかしい」と感じることがあったら、早めに専門家に相談されることをお勧めします。
 

歩合給制

歩合給制は、個人の成果や売上に応じて給与が支払われる給与制度です。
保険の営業、エステサロンのスタッフ、タクシードライバーなど個人の能力が大きく売上成績に関わる職種で採用されています。
求人募集を見たとき、出来高払制、インセンティブ給などと書いてある場合が歩合給制です。
歩合給制には、固定給に加えて歩合給を払うもの、完全歩合制の2種類があります。
ただし、雇用契約を結んだ従業員の給与を完全歩合制にするのは違法です。
したがって、正社員や契約社員、パートなどでは歩合制といっても、固定給にプラスして歩合給が支払われる形になります。
 

歩合給制と残業代

企業によっては、使用者側が「歩合制なので残業代が出ない」と説明している場合もあるようです。
しかし、歩合給制だからといって、会社が残業代を支払わなくてよいという結論にはなりません。
歩合給性が採用されている会社であっても、法定労働時間を超えて働いた場合は当然残業代が発生します。
 

「歩合給に残業代が含まれている」と説明された場合は?

企業によっては「歩合給の中に残業代を含める」という運用をしている企業もあるようです。
しかし、「歩合給に残業代が含まれている」と会社から説明を受けている場合であっても、残業代を請求できることがあります。
歩合給に残業代が含まれる場合、歩合給部分と残業代が明確に区別されている必要があるからです。
通常の労働時間に対する歩合給と残業代が区別できない場合は、歩合給に残業代を含めることはできません。
毎月の給料にプラスして、残業代も請求できます。
 

歩合給制の場合の残業代計算

会社が歩合給制を採用している場合、残業代の計算方法が複雑になります。
それは、歩合給部分の残業代の計算方法が固定給部分と異なるからです。
まず、固定給部分の残業代については、以下の計算式で計算できます。
 

固定給部分の残業代=1時間あたりの給与×残業時間×1.25(割増率)

 
一方、歩合給部分の残業代については、以下の計算式で計算することになります。
 

歩合給部分の残業代=(歩合給の総額÷総労働時間)×残業時間×0.25(割増率)

 
歩合給部分の割増率が低いのは、残業したことで仕事の成果が上がっているという一面があるためです。
また、最終的な残業代の総額は次のような計算式を使って計算できます。
 

歩合給制の場合の残業代=固定給部分の残業代+歩合給部分の残業代

 

歩合給制で残業代が払われていない場合は弁護士に相談を

「正しく残業代が支払われていない」と感じたら、一度弁護士にご相談ください。
歩合給であっても残業代は発生します。残業代の請求には期間制限がありますので、早めの相談がお勧めです。

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